Column
コラム「合奏主義」 新シリーズスタート!


ここでは・・・
満月堂や碧茶-aocha-だけでなく、音楽について考えることを書いていこうと思います。
いつも、ライブに来てくれるみなさんからはアンケートやお手紙、メール、ボードなどに
いっぱいメッセージをもらっているので、わたしからも、ちょこちょこ書いていきますね。

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2  合奏主義(8) ヴォーカルデザイン
今度は歌手側から書いてみます(笑)
 
感覚派のシンガーだと思われているかもしれませんが、
家を作る建築士や洋服を作るデザイナーのように、
歌い方を1ミリ単位で決めて、その完成形に向かっていくほうが好きです。
 
完成度99パーセントの曲もあれば、70パーセントしかできない曲もあるので、
まだまだ歌手はやめられません。
 
建築士はその家に誰が住むか...というところからスタートして、
設計図をひき、材料を集めて、仕上げていく。
 
ファッションデザイナーは、誰が着る服...というところからスタートして、
型紙を起こし、素材を選んで、縫い上げる。
 
いろんな人が、歌は心とかハートとか言うけれど、
心や頭が関与しない芸術や仕事などそもそも有りえないので、
私は、その楽曲に対する誠実さが歌手としての力量だと思います。
 
その点では昭和歌謡のコンピレーションを聴くとすごく勉強になりますね。
当時はアイドル歌手でも演歌歌手のように、
直接、作曲家の先生から歌唱指導を受けることが多かったようです。
そこで、ヴォーカル設計図をしっかり受け取っているから、
歌唱力が、、、と言われていたアイドルでも、作品の完成度が高いのですね。
その期待と信頼の関係には、鳥肌級の憧れを抱いています。
 
以前、日本の歌謡曲作家として5本の指に入るような先生が、
レコード大賞受賞曲を歌唱指導しているテープを聴かせてもらったことがあります。
そのキメ細かさはたぶんカラオケ教室の100倍ぐらいと言っても大げさではないと思います。
 
合奏をする上では、アドリブのセンスはもちろん必要だし、
周りのメンバーの息づかいを感じながら歌うのはとても楽しいです。
 
でも仮にジャズだとしても、あまりにも原曲から離れすぎると、
ふっ...と冷めてしまって、聴く集中力が途切れてしまうことがあります。
 
作曲家のクラサキさんとは、
近いはずなのに、そこには何か異色の緊張感があるのです..。..。(笑)
 
期待と信頼の関係を築けるまで、歌手クラサキも頑張らなくては!
 
 <2006.12.16.>
 




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